お金は決して無くならない。『こんなに使える経済学』

公開日: : 最終更新日:2015/04/08 おすすめ本

最近読んだ本で、こんな記事を読みました。

「不景気になってもお金は無くならない。お金が無くなったように見えるのは、お金の量が同じでも、お金が回らなくなるからである」

この事を大変分かりやすく説明してあったので、以下に引用します。

以下引用~~~~~

今社会全体で、1人当たり100万円のお金があるとしよう。
その時ほしい物がたくさんあって、皆が毎月50万円を支出するなら、それはそのまま誰かの収入となって、各人が平均50万円を受け取るはずである。
この時、全体ではお金は増えても減ってもいないので、各時点で各人の手元にあるお金は相変わらず100万円である。
一方、この経済での1人当たりの年収は50万円×12ヶ月で600万円、支出も600万円となる。

次に、人々が節約に励み、月10万円しか使わないとしよう。
月収が以前と同じ50万円なら、毎月40万円が残るから、1年で480万円貯まるはずである。
しかし、そうはなり得ない。
一人当たり毎月10万円しか使わなければ、平均月収は50万円ではなく10万円になるから、年収はたったの120万円になる。
つまり、人々が節約したら、それに応じて収入も下がるから、手元にあるお金は増えず、相変わらず100万円のままである。

(中略)

それなら、不景気になったら、お金をどんどん使えばいいのか。
その通りだが、一人だけが使ってもその人が破産するだけで景気は回復しない。
全員の所得が増えて景気を回復させるには、全員が支出を増やさなければならない。

人口1000万人の経済で、他の人はすべて10万円しか使わないのに、一人だけ50万円使っても、収入として各人に入る額は、10万円から0.05円増えるだけである。

(中略)

このように、善意が行動を変えないで一人だけ支出を増やすのと、全員が同時に支出を増やすのとでは、各人に与える効果はまったく反対になる。
各人は他人の行動を左右できないから、生活が苦しくなると節約するしかない。
その結果、経済全体ではお金が回らず、生産活動が滞る。
これが不景気である。

1960年代の高度経済成長期には、ちょうどこれと逆のことが起こった。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、今では生活必需品である電化製品が続々と発売された。
つまり、ケータイやプレステ、Wiiを何倍にもパワーアップしたような超大型ヒット商品が、毎年売り出された事になる。
そのため、人々はローンを組んでまで、先を争って買いに走った。
こんな状態なら、多くの家庭がお金を使いすぎて破産したかといえば、反対に高度成長を実現し、所得は倍増していった。
その理由は、人々がどんどん物を買うから、企業業績も好調で給与も上がり続け、使ったお金が全部戻ってきたのである。

このように、不景気のもとでのお金の節約は、本当の意味での節約にはならない。
それどころか、人々から働く場を奪い、労働資源を無駄に捨てて経済全体のほんとの効率を悪化させてしまう。

引用終わり~~~~~(『こんなに使える経済学』大竹 文雄 編 より)

なるほど。
ということは、やっぱり雇用を増やして人々が物を消費するようにすればいいわけですね!
『デフレの正体』でも、【お金を稼いで国内で消費をする人】を増やす事の重要性が語られていました。

でもここで素朴な疑問。

そんなに買うものあるのでしょうか??

これだけ豊かになって、モノが溢れている、余っている日本にどれだけの購買が期待できるのか。
バブルを知らない私には、1960年代のように人々が物を買うことに熱狂するイメージが湧きません。
豊かになって、価値観が多様化した日本人に、あれほど多くの人々が同じものを欲しがるような状況が、今後出てくるとは考えにくいのです。
(自分自身がそこまで物欲が強いわけでも無いのでそう思うのでしょうか。)

Wiiやスマートフォン、ユニクロなど、イノベーションを起こした企業の製品は、確かに売れていますが、それが消費活動全体にはなっていかない。
だから【勝ち組企業】と【負け組企業】がはっきりと分かれてしまう。
その結果が個人の所得格差になり、しかもその多くは低所得層になってしまう。
やっぱり消費は伸びず、景気は回復しない。

そんな気がします。
(非常に個人的な意見で妥当性はさっぱり分かりませんが)

そう考えると、雇用を増やして個人の所得を増やすと同時に、
大企業も個人商店もそれぞれの企業がイノベーションを起こして【強烈に欲しい!と思えるようなモノ・サービス】を創り出していかないといけないと思います。

全員が支出を増やせるような日本。
政治にはそんなビジョンを実現する政策を期待したいです。

 

こんなに使える経済学

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